月経困難症について(2009/11/02)

 


 多くの女性は生理痛(月経痛)を経験します。このうち日常生活が困難になるほど痛みが強い場合を月経困難症と診断します。そしてその頻度は1/4以上と言われ、若い女性ほど多いと言われています。


 月経困難症の原因としては様々なことが考えられますが、はっきりした婦人科の病気がない場合もあるのです。特に10代から20代前半の女性はそういうケースが少なくなく、生理に対する不安・嫌悪感、ストレス、子宮発育の未熟性などが原因となることが多いといわれます。一方20代後半から30代の女性においては、徐々に婦人科の病気が原因となるケースが増えてきます。その原因としては子宮内膜症、子宮筋腫、骨盤内の炎症や癒着、骨盤内のうっ血などが考えられます。


 つまり生理痛の原因は様々であり、月経困難症といわれる強い痛みを伴う女性が、必ずしも婦人科の病気にかかっているとは限らないのです。そのため当然治療方法も様々となります。お腹や腰を暖めたり、ストレッチ・ウォーキング、ラジオ体操など運動療法に始まり、痛み止め・漢方薬・ホルモン剤などの薬物療法、場合によりカウンセリングなども考えられます。


 女性の身体は、月経というものが存在するため思春期から老年期に至るまで男性とは違う身体の変化を持って過ごすことになります。それは女性が子供を授かり産み育てるという素晴らしい能力を持ったために伴う身体の現象です。それを決してネガティブに考えず、女性であることを誇りと思えるよう生活して頂きたいと願います。でもそれが日常生活において困る時には、我々産婦人科医がお役に立てたらと思います。


 


谷病院   政明


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