新型インフルエンザ大流行(2010/01/04)

 2009年4月下旬、メキシコ、アメリカ合衆国から発生した新型(豚)インフルエンザはまたたく間に全世界に広がりました。我が国でも、5月中旬、神戸を中心に流行が始まりましたが、その後、秋口から全国での爆発的な流行になりました。香川県でも流行が拡大し、10月中旬には流行注意報が、10月下旬には警報が発令されました。この時期としては極めて異例のことです。


 当院でも、救急外来を受診する患者さんが増え、長時間お待ちいただくことになりました。比較的軽症の患者さんが多いのが不幸中の幸いです。しかし、入院を要する患者さんも徐々に増えています。今度の新型インフルエンザの特徴の一つは重症肺炎を合併することがあることです。当院でも、重症肺炎で、人工呼吸管理を要した患者さんが数名います。呼吸が苦しい、呼吸が速い、チアノーゼがある、といった症状があれば要注意です。こういう時は早めに救急外来を受診する必要があるでしょう。また、脳症を合併することもあり、つじつまの合わないことをいう、意識状態がおかしい、痙攣する、といった時も早めに救急外来を受診しましょう。


 10月中旬からワクチン接種が始まっています。医療従事者、入院患者、基礎疾患のある通院患者、小児等から順次行われています。ワクチン接種をすれば安心、と思われている方も多いようですが、ワクチンを接種したからといって安心せず、手指衛生(手洗い、消毒)、うがい、マスク着用といった感染対策をきちんと行うことが重要です。


 流行はしばらく続き、第2波、第3波も予想されています。また、季節性インフルエンザの流行もあるかも知れません。正しい情報をもとに冷静に行動することが大切でしょう。


 


香川小児病院 感染対策担当


岩井 朝幸


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