副鼻腔炎(2011/01/04)

 顔面の骨の中には鼻を取り囲むように4種類の空洞があります。前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞で、総称して副鼻腔といいます。風邪などで細菌やウイルスに感染することにより急性鼻炎が起こります。この炎症が副鼻腔にまで及んだ状態が急性副鼻腔炎です。急性副鼻腔炎の症状には、膿性の鼻漏・鼻詰まり・頭重感・頭痛などがあります。眼の奥の痛みや上顎歯の痛みとして現れる場合もあります。


 急性副鼻腔炎を治療せずに放置したり再発を繰り返したりすることにより、慢性副鼻腔炎(ちくのう症といわれたりもします)になります。特殊なものとして上顎歯の虫歯が原因で起こる歯性上顎洞炎やカビが原因で起こる真菌性副鼻腔炎があります。


 副鼻腔炎が疑われる場合には、頭部レントゲン検査やCT検査などを行い診断します。治療には鼻汁吸引療法、抗生物質などによる薬物療法、ネブライザー療法などがありますが、頻繁に繰り返したり治りが悪い場合には手術療法が必要になります。以前の手術は歯肉を切開して顔の骨に穴を開ける方法で行われていましたが、最近では身体的負担の少ない内視鏡を用いた鼻内からの手術が主流となっています。


 副鼻腔炎にならないためには、風邪をひかないように注意し、鼻漏や鼻閉が続く場合には早期に治療することが必要です。


 


耳鼻咽喉科小野医院


小野 一郎


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