突然死について(2011/11/01)

 昨日まで顔を合わせて話をしていた人が今日は死亡したとの報せを聞いて驚く事があります。このように予期せぬ原因によって24時間以内に死亡することを突然死と言います。スポーツ選手が運動中に突然死亡することもよく報道されています。


 家庭において心肺停止状態になっている家族を発見して、救急車を呼び既に死亡が確認された場合は、警察と医師により検死が行われる場合があります。東京都や大阪府では監察医務院があり、突然死の場合は死因を究明するために解剖が行われています。


 日本人の突然死者数は全死亡者の約10%を占め、ほぼ10人に1人が突然死です。男性が圧倒的に多く、男:女比は5:1です。成人の突然死の原因は約70%が心臓性突然死で、次いでくも膜下出血を主とした脳疾患が15%を占めています。心臓性突然死の多くは、心臓の冠状動脈の虚血を因にして起こる心室細動という不整脈によるものです。心室細動が起こると心臓のポンプ作用が失われ、血液が送られなくなると数秒で意識が無くなり、心肺停止状態となります。そしてそのまま放置すると死亡しますが、倒れた直後に心肺蘇生を行うことで救命されます。その場に居合わせた人が、救急車が来るまでの間心臓マッサージを行い、AED(自動体外除細器)を使って心室細動を止めることで救命されます。これは1分1秒を争います。機会があれば心肺蘇生法を習っておきましょう。


 風呂の中で高齢者が突然死することもよくあります。高齢で心臓病や衰弱している人は、入浴に注意が必要です。


 突然死を予防するために、失神・胸痛・息切れ等の症状のある人は医師の診察を受けておきましょう。また、日常生活では過労にならないよう、心や身体をぎりぎりまで使わないことが大切です。


 


吉田医院  吉田 翼


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