子宮癌検診と婦人科検診(2012/08/02)

 「みなさん、子宮癌検診を受けましょう。」

これはとても大切なことです。しかし、「子宮癌検診を受けて大丈夫なら、婦人科の癌は心配なし」というイメージを持っている方がおられます。これは少し問題です。

子宮癌には大きく分けて、子宮の入り口にできる子宮頸癌と、子宮の奥にできる子宮体癌(内膜癌)に分けられます。一般にいわれる子宮癌検診は、子宮の入り口から細胞を取って調べる子宮頸癌検査のことです。最近、女子中高生への予防ワクチン接種などでマスコミにも登場し、予防可能な癌として知られるようになりました。そして検診によって早期発見できれば、子宮を残して完治することも可能な癌です。ただ問題点は、若い人たちの発病が増えていることと、高齢の方で進んだ状態で見つかる方が増えていることです。しかし、近年は極端な増加傾向はなく、今後ワクチンの普及、検診率の増加により減少に転じていくものと思われます。

一方、子宮体癌は、この30年で約10倍に増加しているともいわれ、今後のさらなる増加も予測されます。その背景には、生活環境の欧米化など、日本人を取り巻く環境の変化などがあるのではないかといわれているのです。子宮体癌を見つけるためには、子宮の入り口から細い管を入れ、赤ちゃんの育つスペースである子宮内腔の細胞を取る必要があります。若干の痛み・出血が起こることがありますが、ほとんどが軽度であり、通常外来にて簡単に行うものですから心配ありません。

あと、子宮には子宮筋腫、まれですが子宮肉腫。卵巣には、卵巣のう腫・腫瘍、まれですが、卵巣癌なども起こりえます。それらには、婦人科超音波検査が診断に役立ちます。

これからは子宮頸癌検診だけでなく、貴方の身体を守るために婦人科検診を受けてみませんか。

                                     谷病院 谷 政明 

 


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