大腸がんと精密検査(2014/02/03)

大腸は全長約2mで、食べ物は小腸から大腸に入ると、まず盲腸を通り、上に向かう上行結腸、横に進む横行結腸、下に向かう下行結腸、そこからS字状に曲がったS状結腸を通って、直腸を下って肛門から排出されます。

がんの部位別死亡数を見ると、大腸がんは女性で1位、男性で3位となっており、平成23年には、男女合計で4万5,744人が亡くなっています。

大腸がん検診は、主に問診と便潜血検査を行います。便潜血検査で「陽性」(大腸がんの疑いあり)という結果が出た場合、さらに詳しく調べるために、内視鏡検査などの精密検査を行います。しかし、再検査を受ける人は、約50%と少ないのが現状です。大腸内視鏡検査(大腸カメラ)に対して、「恥ずかしい」、「辛い」というイメージがあるから、という、アンケートの結果報告があります。そこで、平均26年1月に大腸内視鏡検査を必要とするが、施行が困難な患者の大腸疾患の診断を目的として、大腸カプセル内視鏡が承認されました。健康保険の適用に関しては、さまざまな要件がありますので、主治医に相談ください。メリットとしては、「怖い」、「恥ずかしい」などの精神的な負担がない、侵襲性(医療行為が体に及ぼす影響)が低い、などがあり、デメリットとしては病理検査、治療ができない、などがあります。

大腸がんになる人が増え始める40歳以上の人は、検診を毎年受けることで、大腸がんによって死亡する確率を約60〜80%減らせる、という調査報告があります。大腸がんは、早期の段階で発見できれば、高い確率で治せる病気です。しかし、早期の段階では症状を自覚することがほとんどないため、発見が遅れることがあります。「どこも悪くないけれど、がんが隠れているかもしれない」という意識を持って、大腸がん検診を受けることが大切です。

 

           石原消化器内科クリニック   石原 慎一

 

 


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