めまい(2014/06/04)

  起き上がるとグルグル回る、身体がフワフワする、などめまいを経験された方は多いと思います。めまいの原因はいろいろありますが、意識障害、頭痛、嘔吐などを伴うものは、小脳、脳幹など脳の病気の可能性があります。めまいと同時に、耳が聞こえにくい場合は「突発性難聴」、「メニエル病」などが考えられます。めまいがひどくなったり、なかなか良くならないときは、耳鼻咽喉科、脳神経外科での受診をおすすめします。めまいの原因としては、内科、婦人科、心療内科、整形外科、眼科などの分野にも及び、また診断が困難な場合もあります。

 私が外来でよくみかける事例を紹介します。「良性発作性頭位めまい症」は最もよくみられるもので、寝返りや起き上がり時に内耳に三半規管内を耳石粒が移動することにより、回転性のめまいが起こります。「頚性めまい」は、頚、肩のこりにより平衡感覚が崩れるものです。これについては、内耳の障害が肩こりを起こすとの考えもあります。「気象病」とは天候の変化にて頭痛、めまいなどの体調不良を訴えるものです。実際、天気が崩れると、症状の出る方は多いようです。更年期障害、自律神経失調、ストレス、心因性、頭頚部外傷後のめまいもあります。

 めまいが起きる誘因として、体質(乗り物酔いしやすい、片頭痛など)、体調不良(睡眠不足、疲労、運動不足)が挙げられます。特に緊急性がなく慢性的なめまいは焦らないようにしましょう。たいていのめまいは、そのうちに治まると思います。

 めまいになりやすい方が普段心がけることは、心と身体のリラックスで、休養、睡眠を十分に摂り、規則的な生活を行いましょう。前かがみの姿勢での長時間の作業も肩こりの原因になりますので頚、体を反らせる動作をときどき行ってください。最近テレビなどで紹介されているめまいのトレーニングは、運動で小脳を鍛えて平衡感覚を改善させるもので難しくはなく、一度試してみてもよいと思います。

                                             行天クリニック  行天 徹矢 


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