ワクチン同時接種について(2015/10/01)

  最近、乳児期に接種する予防接種(ワクチン)が増え、その回数は15回以上になります。ワクチンは間隔をあけて、適切な時期にタイミングよく接種することが重要であり、その解決策として「同時接種」が行われるようになりました。海外では以前から同時接種が一般的ですが、日本でも日本小児科学会が「同時接種に対する考え」を公開していますので、簡単に紹介します。

 

〔同時接種について現在分かっていること〕

・複数のワクチンを同時に接種しても、それぞれのワクチンの有効性は問題ありません。

・複数のワクチンを同時に接種しても、それぞれのワクチンの副作用の頻度が上がることはありません。

・同時に接種できるワクチンの本数に制限はありません。

 

〔同時接種のメリット〕

・ワクチンの接種率が向上する。

・子どもたちがワクチンで予防できる病気から早期に守られる。

・保護者の経済的、時間的負担が軽減する。

・医療者の時間的負担が軽減する。

 

以上より、「ワクチンの同時接種は、日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気からから守るために必要です」と結論しています。同時接種できるワクチンの本数、組み合わせに制限はありませんが、ヒブ+肺炎球菌+4種混合±ロタ(経口)の同時接種の組み合わせが多いです。接種部位は上腕と大腿が推奨されています。単独接種は上腕にしますが、接種本数が多いと大腿にも接種します。同時接種するかどうか、また何本するかはご家族のご意見を聞きながら勧めることになります。接種を受けようと思う医療機関でよく相談し、お子さんのためにメリットがある選択をしていくことが大切だと思います。

 

                   四国こどもとおとなの医療センター 小児血液・腫瘍内科医長 岩井 艶子


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