予防注射の同時接種・必要性と安全性(2016/04/01)

同時接種とは、数種のワクチンを同時に接種することです。最近定期接種が増えたことにより、1歳前後に受けなければならないワクチンが6〜7種類、3回受けなければならないワクチンなどもあり、その数は約20数本になります。公費負担ワクチン以外に最近では任意接種(おたふくかぜ、B型肝炎、ロタウイルスなど)を希望するお母さんも多くなり、1本1本行っていたのでは一年中毎週のように予防注射に通わなくてはなりません。何よりも赤ちゃんにより早く免疫をつけVPD(予防注射で防げる病気)から守るのが目的です。

そこで、年齢や間隔を考慮したうえで何種類かを組み合わせながら行うのが『同時接種』です。欧米ではもう10年以上も前から行われており、その安全性は実証されています。アメリカなどでは、2か月児に6種類のワクチンが接種されます。免疫がつかないのでは、と考えられる方もいますが、抗体上昇は同時接種も単独接種も違いはありません。

日本では『予防接種の副作用』が重視されています。現在子宮頸がんで毎年2,700人も亡くなっていますが、公費負担のヒトパピローマウイルスワクチンが、因果関係の不明な副作用が出たということでほぼ中止になっています。また日本では年齢や接種間隔について細かな取り決めがあり、1日でも取り決めに合わないと公費負担が受けられません。接種漏れのないように医療機関と相談しながらしっかり計画を立てて行うようにしてください。

最後に一つ大事なことがあります。注射をした後には、ぜひ褒めてあげてください。少し大きくなると同時接種などがトラウマになり、医者嫌い、注射嫌いになってしまいます。ほめることによりトラウマが、自信や達成感に変わります。「強かったね、えらかったね」と家族みんなでほめてあげてください。

 

にしかわクリニック  西川  清 


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