人の一生と脳を中心とした病気(2016/08/17)

人間の発達は、主に脳の発達に伴っています。最近では医科学の発達により、誕生時に500g以下で母体から離れた胎児が、正常に発達することが可能となっています。今、18歳で選挙権を得られる時代となりましたが、社会は複雑かつ脆弱となり、高齢者や若者にとって生きにくくなったように思えます。人口は減少し、高齢者は増加し、多くの人たちは貧困化しています。この世界を『キラーストレス』(急な強いストレス)とまでいわれるさまざまな段階や内容のストレスを克服して生き抜くのは並大抵のことではありません。どうすれば健康年齢まで生き抜けるか。

 ・乳幼児期―虐待、放置―親は当然のこと、適切な周囲の成人による世話

 ・学童期―競争、自己受容―親をはじめとする学校や社会の受容

 ・成人期―年齢に応じた自己形成(本人や親も)、ストレス対処法(楽しんで体を動かすなど)

 ・老年期―これまで蓄えた事物を用い自分を生かす。自分の始末は、できるだけ自分でする。

 私は昭和17年生まれで、昭和を生ききって後は野となれの心境ですが、後顧の憂いもなきにしもあらずで、人間は一人で生きているのではないことを考えざるをえません。最近では、テレビの内容は乏しく、EUは遠く、人類は多く、脳の仕組みも働きもみな異なるとなると、絶望的ですが、脳の事については、われわれが医者になったころよりだいぶ理解できてきたこともあり、薬物による治療法も多様になりましたが、そのぶん複雑かつ高価になりました。さらに治療法によっては逆効果にもなり、われわれ自身も困惑しているのが実情です。

 

 

中島クリニック   中島 大作


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