肩関節周囲炎(五十肩)(2016/11/01)

  「肩が痛くて眠れない」「寝返りすると目が覚める」このような症状はありませんか?これらの痛みは、肩関節周囲炎の可能性があります。

 肩関節周囲炎とは中年以降(50歳代に多い)に発症し、いわゆる『五十肩』のことをいいます。定義については現在議論もありますが、肩の痛みと動きの制限を伴う病名の総称です。原因ははっきりとは分かっていませんが、肩の骨・軟骨・靭帯・腱が老化(変性)し、炎症が起こることによるといわれています。炎症が広がっていくと、安静にしていても痛みを感じ、夜間にはさらに激しくなり眠れなくなる人もいます。放っておけば治ると思っている人もいますが、肩関節が癒着を起こしてしまうとなかなか治りません。

 治療は、痛みを抑える目的で内服、湿布、温熱療法・運動療法、ヒアルロン酸を関節内に注射するなどの方法があります。痛みがやわらげば、温めながら可動域訓練をあせらず続けます。

 痛みがあるからと長く関節を動かさないでいると、肩が動かなくなってしまいます。(凍結肩)かといって、強い痛みを我慢して無理に運動を行うと、かえって悪化してしまうこともあります。運動については、個々の痛みを判断しながら行う必要があります。

 これらの方法で改善がなく、肩に拘縮(固まってしまうこと)をきたし、激痛が続く場合は、癒着を剥離する手術が必要となる場合があります。

 肩の強い痛みについては、他の病気(腱板の損傷、石灰沈着性腱炎、変形性肩関節症、頚椎の病気、骨腫瘍など)の可能性もあり、注意が必要です。

 いずれにしても、早めに受診し、適切な治療をすることが大切です。

 

三宅整形・リハビリクリニック   三宅 基夫


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