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特発性正常圧水頭症(2017/02/01) 認知症の方の中にガニ股でヨタヨタ歩いている人を時々見かけます。この中に特発性正常圧水頭症(iNPH)が原因の場合があります。 水頭症とは脳の内部にある脳室と呼ばれている所に水(脳脊髄液)がたまり、脳を圧迫して起こる状態です。この時、脳内の圧(脳脊髄液圧または頭蓋内圧)は高くなることが多いのですが、この病気(iNPH)では正常の脳圧です。iNPHの原因については、よく分かっていません。 iNPHの症状は主に3つあります。 @ 歩行障害(前述のような歩き方が特徴) A 認知症(意欲の低下、反応が鈍い) B 尿失禁(排尿が我慢できない) ただこの病気はさまざまな認知症、多発脳梗塞、パーキンソン病、腰部脊柱管狭窄症、変形性膝関節症などと紛らわしく、CT、MRIが鑑別に必要です。CT、MRIで脳室の拡大と脳溝(脳の皺)の挟まりの形態にてiNPHが疑われると水(脳脊髄液)を少し抜いてみます。(髄液排出試験) これで症状がよくなると、iNPHが確実とされます。そして脳の水(脳脊髄液)を体内(腹腔)に誘導し、吸収される手術(髄液シャント手術)を行います。 認知症の方は多く、またiNPHと診断されても高齢者では合併症も多く手術も困難ですが、気になる方は専門医にご相談ください。
行天クリニック 行天 徹矢 |
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