胆石症(2017/04/03)

 胆石症は腹痛、発熱、黄疸で発症する病気です。近年は男女共に多くなり、成人の10人に1人は胆石を持っているといわれています。

 胆石は胆汁の成分である脂肪のコレステロールやビリルビン(大便の色素成分)が何らかの原因で固まったものです。

 胆汁は肝臓で作られ、胆のうに蓄えられて総胆管を通り十二指腸に排出されます。胆汁は脂肪の消化吸収に重要な役割を担っています。

 胆石はできる場所によって胆のう結石、総胆管結石、肝内結石があり、それぞれ症状や治療法も異なります。

 胆のう結石はコレステロールを主成分とした結石が多く、激しい上腹部痛(疝痛)を生じ、背中や右肩に放散します。さらに、細菌感染して胆のう炎を合併すると生命の危険を生じます。

 総胆管結石はビリルビン結石が多く、細菌感染が原因と考えられています。総胆管が結石でふさがれると胆汁が腸へ流れなくなり、黄疸(皮膚が黄染)や発熱を生じ、高齢者では重症化するので早期治療が必要です。

 診断にはまず超音波検査が行われます。

 胆のう結石があっても、症状のない場合は治療の必要はありません。

 しかし、症状がある場合は、外科的に胆のうを摘出します。最近は開腹することなく、腹腔鏡下に行われます。総胆管結石は内科的に内視鏡を十二指腸に挿入して結石を排出させます。

 予防は高脂肪食を控え、暴飲暴食をしない、食べ物は清潔にして食べる習慣が大切です。

 

 

吉田医院 吉田 翼 


一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved