認知症(2018/07/02)

   まず認知症は、高血圧症・脂質異常症・糖尿病などと同様に誰もがなりうる病気です。

 認知症は『正常に発達した知的(脳)機能が何らかの原因で低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態』と疾患定義があります。言い換えると、家庭人・社会人として『一人前』でなくなった状態ともいえます。

 近年では、テレビ番組やコマーシャルなどで啓発もされ、一般的にも認識が向上しましたが、実際に診断に至るには患者さんやご家族が受診する必要があり、受診の遅れが治療の遅れの要因となっています。また、症状は人によって異なり、患者さんの中に認知症が潜んでいても、医師ですら短い診療時間では気付いてあげることができないこともあります。大切なのは、早期発見・早期治療になります。早期発見のためには、本人や家族、周囲の人が「あれっ?」「ひょっとして・・・?」と日常生活や社会生活を送っている際に違和感を覚えた場合は、受診のきっかけとすべきです。

 認知症は、治療開始が早ければ早いほど、症状の改善や維持が高い確率で期待できます。したがって、早期発見⇒早期診断⇒早期治療が何よりも大切なのです。

 『物忘れ』は、認知症の代表的な症状の一つですが『物忘れ』=『認知症』ではありません。先に述べたように、症状はさまざまであり、ご自身やご家族が違和感を覚えた際には、受診されることを強くお勧めします。

 いきなり医療機関に受診をとまどっている方々には、相談ができる窓口が市役所内にあります。国策として地域包括支援センターが各自治体に設けられ、その中に『認知症初期集中支援チーム』という専門職によるチームがあります。チームでは、認知症の方や疑われる方の相談を受けたり、訪問を行ったり、早期受診や早期対応に向けての集中的な支援を行います。また、相談であれば、本人・家族の方以外でも受けていますのでお訪ねください。

 

 

                                       大杉脳神経外科医院   大杉 敦彦


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