糖尿病とは?(2020/12/01)

 糖尿病は健康診断時に気にされている方が多い生活習慣病の一つです。では、糖尿病とはどのような病気なのでしょうか。

 糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが不足したり働きが鈍くなることで、慢性的に血液中のブドウ糖濃度が高くなる病気です。1型糖尿病と2型糖尿病があり、日本人の95%が2型で過食・運動不足による肥満などの環境因子、体質などの遺伝因子が主な原因です。1型は今のところ原因はわかっておりません。糖尿病の問題は、高血糖状態が続くことにより全身の血管が障害される合併症です。例えば、大きな血管が傷つき、動脈硬化が進むことで起こる心筋梗塞・脳卒中・足の血流が悪くなる末梢動脈疾患、眼・腎臓・神経などの細い血管が障害される網膜症・腎症・神経障害、また肺炎などの感染症にかかりやすくなります。これらの合併症を起こさないようにするのが治療として大事になります。治療の基本は食事療法と運動療法です。

 1日3食規則正しい食事をする、食物繊維の多く含む食品を摂る、ウォーキングなどの有酸素運動を行うなどがあげられます。血糖コントロールが目標値に達しない場合は薬物療法を併せて行います。最近は、低血糖を起こしにくい安全性の高いお薬やインスリンとは違う注射薬(GLP-1製剤)、1週間に1回投与のお薬などさまざまなお薬があります。

 香川県は人口10万人に対する糖尿病による死亡率は、全国ワースト上位(2019年3位)が続いております。糖尿病にならないように日頃の生活習慣を見直し、健康診断で糖尿病が疑われた場合には、怖がらず早めに医療機関へ受診してください。一人でも糖尿病で重症化する方が少なくなればと考えております。

 

                                                                         大杉脳神経外科医院   大杉 聡宏


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