コロナ禍の医療への影響について(2022/01/04)

 コロナ禍の中で、医療機関を受診する患者が減少しました。歯科に行くのを控えていて、久しぶりに受診をしたら、虫歯ができておりしばらく通院しないといけない、リモートワークで自宅にこもっていたので運動不足と間食が増えて糖尿病が悪化した、といった方がいます。認知症の方が家に閉じこもり、症状が進行したという話もあります。

 21年11月公益財団法人日本対がん協会は、がん診療を行う医療機関などへのアンケート結果に基づき、20年のがん診断件数は19年に比べ9%減少したと発表しました。外科的・内視鏡的治療も減少、早期がんが減ったと指摘されています。

 20年の前半は、感染拡大に伴い、企業や自治体が検診の実施を延期、医療機関も検診を一時中止する、などやむを得ない面もありますが、県外に移動すると受診を断られる、受診者も検診の受診を控える、無症状なので検診を延期するなどの事情があったようです。

 この傾向は今年も続いており、21年上半期(1月〜6月)は20年と比べると増えていますが、19年に比べると17%減少しており、以前の水準には戻っていません。特に胃がん検診は最も減少幅が大きく22%減になっています。肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんなども減少しています。

 医療機関など検診実施機関では、体温測定や手指消毒は当然として、受診者数の制限など予防対策を十分にとっていますから、積極的な検診受診が望まれます。がんの診断では早期発見が重要ですから、医療機関と相談の上、積極的に受診することが大事だと思います。

 

                                                  善通寺診療所 所長   藤原 高明


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