生活習慣病のすすめ(2022/02/01)

 健康診断で「コレステロールが高いです、それと体重も去年より増えてますね。」と指摘されたことはありませんか。

 肥満には、高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を起こしやすい傾向があります。また、一部の癌が増えやすいことも知られています。肥満の初期〜中期では症状がほとんどありませんが、進行するといろいろな症状が出てきます。慢性腎不全からのむくみや透析、心筋梗塞の胸痛、脳卒中からの頭痛や麻痺も一例です。一連の流れを、ドミノ倒しに例えて、『メタボリックドミノ』といわれることもあります。若い頃には、食べすぎてもお酒を飲みすぎても、何ともなかったのに、年を追うと高血圧や高血糖が起こり、ドミノ倒しのように心臓や脳血管の動脈硬化が進み、最終的に心不全や脳卒中が引き起こされます。

 生活習慣病の治療は、ドミノ倒しの原理と同じように、初期の段階から治療して進行を食い止めることです。生活習慣病は、偶然に起こるというわけではなく、肥満(特に内蔵脂肪)とも大きく関わっています。お薬の治療ももちろん必要となりますが、年齢や生活スタイルに合わせ目標体重を決め、それに目指して適正な食事量を守り、運動量を稼ぐことも大事です。

 1番大事なことは、決して人ごとではなく、自分の健康状態に興味を持っていただくことです。健康診断のお知らせが来ましたら、必ず受けてください。そして、その結果で内科受診を勧められましたら、相談してください。

 なかなか通院できない、食事療法に取り組めない方でも、ライフスタイルに合わせ、私たち医療関係者は寄り添いたいと思います。

 

            四国こどもとおとなの医療センター 内分泌・代謝内科   山口 佑樹


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