ウイルス性胃腸炎にかかってしまったら? 水分摂取・食事療法のコツ(2022/04/01)

 ウイルス性胃腸炎は主に冬場に流行しますが、この頃は1年中みられます。乳幼児や高齢者では、頻回の嘔吐や下痢によって脱水を生じやすく、重症化することがあるので、水分補給や食事療法が重要になります。

【治療・水分摂取のコツ】

 最初の最も吐き気が強い時間帯は、いくら水分を与えても吐いてしまいます。胃液も一緒に失われるため、より脱水症が悪化する場合があるので、絶飲食とします。吐いているのに『何も飲まない、食べない』と言われると不安ですが、嘔吐がおさまるまで時間が経つのを待ってください。頻回嘔吐がなくなれば、水分補給を開始します。経口補水液*を少量ずつ頻回に飲ませてください。水分補給のポイントは、『少量頻回』です。スプーン1杯ずつからでかまいません。なめる程度から始め、徐々に量を増やしていきます。一気に飲むと嘔吐しやすいので、時間をかけて、少量を回数多く飲ませるのがコツです。

 *経口補水液は、OS-1やアクアライトが市販されています。

【食事の摂り方】

 水分を摂取しても嘔吐しないようになったら、炭水化物(おかゆやうどんなど)から食事を開始します。(乳児の離乳食は少し前の段階に戻し、いつもより軟らかく水分、塩分を少し多めに)肉や魚も食べてよいですが、脂質を少なくするために、煮る・蒸す料理にしましょう。食べない方がよいものは、牛乳、脂肪の多い食品(天ぷら、ラーメン、中華料理など)、柑橘系果実などです。食べられるようになっても、胃腸の働きは十分に回復していませんから、少量ずつ頻回に摂取するようにしてください。

 

                                 田所医院   田所 久徳


一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved