子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)(2022/10/01)

 日本では毎年、1万人以上の女性が子宮頸がんにかかり、約2,900人が亡くなっています。また若い年齢層で発症することも多く、治療のため子宮を失って妊娠できなくなることは深刻な問題です。 実はこの病気の95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因であることがわかっています。感染は主に性的接触によって起こり、女性の多くが一生に一度は感染するといわれています。またHPVは、新型コロナウイルスとは違い、突然変異によって姿を変えていくことがないので、ワクチンで変わることなく感染予防できる病原体です。

 日本では、2013年4月からHPVワクチンの定期接種が開始されましたが、接種後の多様な症状が報告されたため、わずか2か月でワクチン接種の勧奨が中止されました。しかし、その後の調査でワクチンの安全性が確認され、今年より積極的勧奨に戻され、小学校6年〜高校1年相当の女子は、公費でワクチン接種が可能です。この影響で平成9年〜17年度生まれの女性はワクチンを受けていない可能性があります。その対象者には市町村より連絡がありますので、希望があれば接種が可能です。

 HPVワクチンは3回の接種が必要です。公費で受けられるワクチンは子宮頸がんの50〜70%の予防効果がありますが、100%の予防は無理ですので、子宮頸がん検診は必ず受けてください。

 

                                  谷病院   石川 博康


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